~リニアベアリングのメンテナンス方法~
時々、お客様より 「マシンの動きが良くない」 「スミスマシンのシャフトから異音が聞こえる」 「左右差がある」 などのお声を頂いた事はありませんか?
そのようなマシンの不具合の原因の一つとしてリニアベアリングの不具合が考えられます。
今回は密閉式のベアリングでなく
“日々のメンテナンスで寿命が変わるリニアベアリング”の紹介をさせて頂きます。
ジムを運営していく上でマシンのメンテナンス費用はなるべく抑えたい箇所であると思います。
少しでも長くコストがかからないようにマシンをお使い頂けるよう、施設でもできる日々のメンテナンス方法をご紹介致します。
●リニアベアリングとは
●リニアベアリングの仕組み
●フィットネスマシンに使用されているリニアベアリング不良の特徴
●対策・メンテナンス
【リニアベアリングとは】
先ずはこちらの画像をご覧ください。
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フィットネスマシンにはこのようなパーツが多く使われています。
例えば・・・
・レッグプレスの場合
フットプレートスライド部 シートスライド部
★リニアベアリングが使用されている主なマシン★
スミスマシン、アングルドレッグプレス、ハックスクワット、レッグプレス、マルチヒップ
アシストチンディップ等々
※このように多くのマシンに使われていますので、一度お使いのマシンでご覧ください!
【リニアベアリングの仕組み】
• リニアベアリングは転がり案内の直動機構です。
シャフトと組み合わせて使用され、鋼球の転がりを利用して無限直線運動をします。(無限直線運動:シャフトが続く限り直線運動が可能ということ)
• 無給油ベアリングなどのすべり案内の軸受に比べ、低摩擦かつ高精度な直線運動が得られます。
保持器と軸との間にボールがあり、
転がり運動によって作動します。
ボール(又はころ)が摺動するのですきまなく、軽く動作する。
【フィットネスマシンに使用されているリニアベアリング不良の特徴】
・マシン付近の床にこのような謎の銀色のボールが落ちていたことはありませんか?
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これはベアリング内部に入っているボールがグリスの減少などにより保持器が破損しマシン使用時の衝撃などで外に出てきてしまいます。
それでは実際に不具合があったリニアベアリングの写真をご覧ください!
① ベアリング部に埃がたまっている ②油分がない
③ 内部にまで埃がある ④ ベアリングのボールが欠損
※異音、振動が出ているベアリングは④のように保持器が破損しボールが欠損しています。
実際にこのような状態になってしまったリニアベアリングを使用しているとマシンに何らかの異変が生じます。
こうなってしまうと大掛かりな交換作業が必要となってしまい、業者への依頼が必要となり、パーツ代や作業費といったコスト面でも非常に厳しくなってきますよね。。
そういった点でも“日々のメンテナンス”が必要となってきます!
ここからは施設でもできる簡単なメンテナンス方法をご紹介してきます!!
【対策・メンテナンス】
①ベアリング部に埃をためない
リニアベアリングはグリスを使用しており、ガイドロッドに埃が付きやすくなっている為、定期的にウエスなどで清掃しましょう!
※埃をためない事でガイドロッドのキズ、汚れ防止につながります。
②適度な油分を保つ
清掃を行った際、必ず油分も拭き取ってしまいます。
ベアリングは油分がないと摩擦が大きくなる為、ガイドロッドに傷が付きベアリング破損の原因になります。
そうならない為にも清掃→注油をいうサイクルを忘れないで下さい!
③ベアリングが滑走するガイド部への注油方法
※KURE CRC5-56などの潤滑剤は高荷重がかかる場所には向かない
・ベアリングのグリスの粘度を下げてしまう。
・グリスに比べ潤滑被膜がもたない(サビ対策としては〇)
★おすすめのリニアベアリング用グリス★
リチウム石けん基グリス2号(万能グリス)本来はベアリングを外しベアイングに擦りこむことがいいですが、ガイドに塗布することでベアリングの油分の渇きをおさえる事ができます。
ガイドにグリスを塗布、ウエス等でのばし、余計なグリスをふき取ります。
グリスがべとついているとホコリが付きやすくなります。
✖ 〇
~最後に~
トレーニングマシンを長くお使い頂くために施設での日々のメンテナンスは重要となります。特に清掃、注油、グリスアップなど基本的なことを定期的に行う事で故障リスクというのは改善されます。是非、この機会にお持ちのマシンメンテナンスを行なってみてはいかがでしょうか?
―完―